大黒天は、日蓮宗による福の神様です。各家でお祀りされている大黒天(子大黒)に、お寺にお祀りしている親大黒のもとにお集まりいただいて、年に一度、塵を払い、活力を与えるための行事を執り行います。(その他の方も)一心に信敬なさいますと、必ず心願成就福徳の大果を得ることができますので、皆さまお誘い合わせの上、是非ご参詣くださいますようご案内申し上げます。
大黒天とは
「米俵の上にのって打ち出の小槌を持ったニコニコ顔の大黒様」は身近な神さまですし、「大黒柱」などその名を拝借するほどに、頼り甲斐のある福の神です。大黒様は、大黒天神という天部の神様なので、厳密にいえば仏さまではありませんが、弁財天と同じように仏教の守護神としての位を与えられた神さまです。大黒さまの日本への伝来は、伝教大師最澄上人が南中国の風習を日本に持って帰り、それ以後、比叡山を中心として天台宗をはじめ寺々の厨房(台所)にまつられるようになったものです。鎌倉時代になると、武神ではなくて富や官位を授ける福神としての信仰が強くなり、食事を不自由にさせない食物の神さまとして、台所にどっかりと腰を据えるようになりました。室町時代の頃になって、神仏習合(神と仏を区別せず同じところに祭ること)が盛んになってくると、大黒さまと神話に出てくるオオクニヌシノミコト(大国主命)の「大国」との音が似ているとことから、同一視されるようになり、七福神の仲間入りをして、えびすさまと共に一般に信仰されるようになりました。打出の小槌を持って米俵の上に立つようになったのは、大黒さまが農業の神として信仰されるようになってからのことですが、この頃からニコニコ顔の眼の細い福々しいお顔につくられるようになりました。福々しい顔の代表のようにいわれている大黒さまも、はじめからにこやかな顔をしていたのではなく、怒り狂った顔から次第に厳しいお顔となり、やがて顔が明るく朗らかにほころびてくるというように変わっています。そのお顔の変化と同じように、はじめは死神から闘いの神となり、生命を支える食物の神から福神へと、はじめとは正反対の性格の神さまへと変身していきました。
努力の神さま 大黒天
丸い頭巾をかぶって右手に小槌を、左手に袋をにない、二つの米俵の上にお立ちになる笑顔の大黒さまは、もとはインドの神さまです。仏法を守り、飯食ゆたかに福徳を与えて下さる神さまとして、仏教では福徳円満自在菩薩(ふくとくえんまんじざいぼさつ)の化身と説かれています。では、このお姿は、いったい、何をお示し下さるのでしょうか。働いて、働いて、まっくろになる。つまり「大黒」になって働けば、足下から幸いが盛り上がってくるぞと教えています。大黒さまは、私たちの希望を叶えて下さるという「小槌」を持ち、この小槌でものをたたくとコツコツ音がします。つまり、コツコツとうまず、たゆまず励むことを教えているわけで、それが幸福への近道なのです。それ以外に私たちを幸せにする道はありません。つまり大黒さまとは「精進」そのものの姿なのです。努力することが愚かであるかのように考える世の中であればあるほど、大黒さまの精進は尊く光るわけです。
~「仏さまの履歴書」市川智康著より抜粋~
甲子招福大黒天
昭和59年は奇しくも60年に1度の「甲子(きのえね)」の年にあたります。甲子は大黒さまの縁日(祭る日)です。常照寺に勧進(おまつり)する甲子招福大黒天は、昭和59年に日蓮宗大荒行堂第3行 無漏大黒相承(むろだいこくそうじょう)により秘法開眼せられた福の神です。
甲子 招福 大黒祭ご案内
日時:11月1日(日) 午後1時より
場所:常照寺
願い事:家内安全・商売繁盛・事業繁栄・五穀豊穣・心願成就 その他